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ひとこと日誌Message


2004年度~2011年度は、京都大学時代の加藤研究室の【ひとこと日誌】です。
2012年度~は、大阪大学の加藤研究室からの【ひとこと日誌】を綴っていきます。

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2005年3月9日(水)   春はもうすぐ

今日の京都はびっくりするほど暖かい! 日差しもやさしい感じがします。でも、まだまだ風邪が流行っているようですね。みなさま、大丈夫でしょうか? 私はこの冬は、2度ほど軽くやられましたが、インフルエンザは免れました。なんて言っている間に、今度は花粉症の季節になるわけですね。早いものです。

さて、先週は京大の入試で、ここのキャンパスも、学生服の青年達や、親子連れでいっぱいでした(中には、おばあちゃまとおぼしき方が同伴の受験生もいました)。それが一段落したと思ったら、いよいよ年度末。大学中、どこも大忙しです。加藤研も、4月から加わる新メンバーを迎える準備を、少しずつ始めました。部屋のレイアウトを考えたり、新学期の予定を立てたり。忙しい中でも、なんとなく楽しい気分になりますね。

04年度KK研メンバー  そういえば、昨年末、生命科学研究科の広報誌の表紙に、「新設された生命文化学分野のメンバー」として、現在の加藤研4人の写真が載りました(pdfファイル)。大学の研究室の写真とは思えないぐらいに、みんな異様にうれしそうな笑顔で写っています。これを見ると、今年はこの笑顔で乗り切ったなあ、としみじみします。新しい研究室の立ち上げ、「ゲノムひろば」の準備とまとめ、講義やセミナー、企画の打ち合わせ・・・。講演や会議で飛び回っていた加藤さんに続いて、みんなでパタパタ走った感じです。

さあ、来年度のメンバー写真はどうなるでしょうか?
期待でいっぱいです。

(加藤牧菜)



2005年2月23日(水)   シンガポール

こんにちは、しばらくご無沙汰してしまいました。
もう1ヶ月近く前のことになってしまったのですが、国際シンポジウムのためシンガポールに行ってまいりました。シンガポールは国策としてバイオ研究に力を注いでいるらしく、「バイオポリス」という新築の研究施設群には、世界中から企業や研究者が誘致されています。真新しく斬新なデザインのビルに、製薬企業の熱帯病研究所のロゴが大きく入っていました。
シンガポールは熱帯の国であるせいか、街路樹もびっくりするほど大きな木が多かったです。ちょうど中国の旧正月の準備期間で、街は派手なデコレーションで賑わっていました。
個人的には、英語でおしゃべりする時間をたくさん持つことができたので、「yeah」とか「um-hum」とか照れずに言えるようになったと思います。京大からは大学院生が20人ほどと先生方も参加していたので、ゆったりと時間を共有して交流を深めることができたのもとても有難かったです。
ちなみに帰ってきた次の日にちょうど雪が降って、熱帯から極寒への移動を体験しました。体のあちこちがかさかさに荒れましたが、それもいい思い出になりました。

(伊東真知子)


2005年1月26日(水)   研究室事情-耐寒の巻

寒中お見舞い申しあげます。
寒さが厳しい今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

わたしは「寒」という字を見るだけで、ぶるっときます。というのも、京都は底冷えの厳しい土地柄ですから。なんとなく街中の猫背人口も多い気がします(京都人の方、スミマセン)。
だから当然寒い研究室。冬以外の季節ではメリットの「広い、天井が高い、明るい」が冬になると暗転。部屋が広く天井が高いので、エアコンとともにガスヒーターを導入するもなかなか部屋が暖まらず。そして室内が乾燥する。明るい(窓が大きく多い)ため、隙間風がピューピュー。

しかしめげずに皆でいろいろアイデアを出して、楽しみながら寒さと付き合ってます。今試していることは4つあります。どれもそこそこの効果があり、おそらく快適な研究室を演出しているかと思います。

(1)温かい飲み物を飲んで、体のなかから暖めよう! とにかく一日中、何かしら飲んでます。ちなみに研究室内で大当たりだったのは、ルイボスティ。難点はお手洗いが近くなってしまうこと。ここ2カ月くらい女子トイレが工事中だったので、微妙に遠いトイレまで駆け込まなければならず往生しました。
(2)段ボールで風よけを! 足元付近にも窓があるため下からシンシンと冷える。下窓の隙間をカバーするように段ボールを並べた。これは予想外に効きました。わたしはただ並べただけだったのですが、伊東さんの努力により、段ボール製の風よけに変身し立派なものに。
(3)霧吹きでシュッ、シュッ! つまり手動式加湿器。牧菜さん持参の霧吹きに水を入れ、ついでにアロマオイルも少々加え常にシュッ、シュッしてます。肌の乾燥や風邪ひきを防ぐとともに、香りに癒されて満足、満足。
(4)足湯でウットリ! まだ1回しか試してませんが、かなりいいらしい。タオルを常備することと足を清潔にしておくことが条件。ちと面倒なのでわたしは思案中(足はたぶん清潔かと)。

最後に個人的に今冬からやってみたこと。それは「ババシャツ」の着用。わたしは風の子と言わんばかりの薄着でしたが、あっさりその看板を下ろし「ババシャツ」を愛用しております。

(山本芳栄)



2004年12月31日(金)   デュッセルドルフより(休暇中の番外編)

ドイツのデュッセルドルフという街に来ています。ここは日本の商社や大会社のブランチも多くて、「日本通り」があるほど。おにぎりも簡単に手に入ります。ここのクリスマスはとても静かで、おだやかでした。みんな家族と過ごす24日の晩には、お店というお店が全部閉まって、まるで日本のお正月のよう。人っ子一人いない真っ暗な街に、教会の鐘が鳴り渡っていました。

稽古場の風景  この街のオペラ劇場で働いている親友がいるので、稽古に連れて行ってもらったり、歌い手さんたちと一緒にご飯を食べたりしています。昨日はプッチーニのオペラ「ボエーム」の立ち稽古を覗いて来ました。歌詞はイタリア語、演出の指示は基本的にドイツ語、それにロシア人のテノールのお兄さんは時々英語で答え、スイス人のバリトンのおじさんはフランス語で話し掛けてくる、といった具合。こんな状態が当たり前なのだそうです。

もちろん、個性的な面々が本気でコミュニケートするときには、忍耐も必要。でも、大勢でひとつのものをつくり上げる醍醐味は、世界のどこでも同じです。なんだかそれがうれしくて、ニヤニヤしながら眺めていたら、稽古のエキストラに使われてしまいました。音楽に合わせて出て行って、小道具を渡して帰ってくるだけなのですが、一回やったら、指揮者の人が「デビューおめでとう!」と走ってきてくれました。みんなフレンドリーです。

写真(上):稽古場の風景
写真(下):楽屋でバリトンのブルーノと(裏方さんの格好ですが、これが衣装だったのです)

(加藤牧菜)


楽屋でバリトンのブルーノと(裏方さんの格好ですが、これが衣装だったのです)

2004年12月22日(水)   分子生物学会

12月8~11日に神戸で行われた分子生物学会に行ってきました。この学会は生物学関係では国内最大の学会のひとつで、「巨大!」という感じです。たとえばポスター発表は4000題近くあるので、体育館のような2つの展示場に650枚ずつ張ってあって、さらに3日間総張り替えというすごさです。とても全部の発表をじっくり理解することはできないのですが、いろいろな分野の動向をざっくり見て回ることができます。

自分自身がホヤの研究に携わっていた頃は、自分の研究テーマと関連する内容の発表があったら飛びついて見に行きました。当時は当たり前のことだったのですが、今にして思えばそれはひとつの楽しみだった気がします。その代わり、今はどの研究も客観的に見るようになったので、また違ったおもしろさや楽しさがあることがわかりました。「この発表は自分には関係ない」と思ってパスするということもなくなりました。研究の進め方や着眼点という観点からいろいろな研究を見て考えるのもおもしろいです。もちろん、生物の研究に関わりながらそういうふうに研究を見ることができる人もいらっしゃるのでしょうけど。
「科学コミュニケーターは『研究の目利き』としての役割も果たしうる」ということがときどき言われますが、その意味がすこしわかった気がします。目利きになるべくがんばります。

最終日の11日には「学会と社会との接点等に関するワークショップ」が4つ行われました。私は「生命科学研究の現場と社会:双方向のコミュニケーション」に参加しました。「AdvertisementからPublic Relationsへ」、学際交流の触媒としての科学コミュニケーション、科学コミュニケーションにおける需要と供給のズレの問題、エンターテインメントとしての科学、医療の現場における科学コミュニケーション、などたくさんの話題が提供され、これからの科学コミュニケーションはこうあるべきだというモデルも複数提案されました。また、科学と宗教、または科学と文化という異質なものどうしの関係が日本と欧米ではそれぞれどうなっているかということや、文理の壁の問題、今後有効な科学コミュニケーションが継続的に成り立つために具体的にどういう枠組みが適しているか、といった活発な議論がありました。
ただすこし残念だったのは、去年の分子生物学会での科学コミュニケーションのワークショップはなかなか賑わったそうなのですが、今年は最終日の午後だったせいか、「社会との接点」関連が4つ並行開催だったせいか、お隣の会場も含めてかなり人が少なかったことです。科学コミュニケーションに関する議論は、科学コミュニケーションを専門にしている人たちだけで盛り上がっているばかりでは実りが少ないと思うので、生物の研究者をはじめさまざまな立場の方が参加しやすい工夫が大切だと改めて思いました。

(伊東真知子)


2004年12月3日(金)   小さな異文化体験

研究室の窓から、紅・黄・緑の木々が並んでいるのが見えます。今週は、黄色の葉がどんどん落ちて、いよいよ冬がやってくるのだなあ、という感じがします。京都の冬は恐ろしく寒い、とみんなから脅かされているので、もう準備万端。覚悟はできています!

実は、今研究室のメンバーの中で、私ひとりだけ、関東出身。生まれて初めての関西圏生活がスタートして半年以上経ちましたが、とにかく驚きと発見の連続です。狭い日本の中にも、こんなに多様な言葉や風習があるのか、とびっくりしてしまいます(あと、笑いのツボも多様ですね)。私達4人は全員出身地が違うので、方言の話をしても、お雑煮の話をしても、お互いに「知らない世界」・・・。えーっ! そんなのあるんですかー! と、大いに盛り上がることしばしばです。

それから、京大の文化! 私は学部も大学院も筑波だったので、大学の雰囲気の違いにも目を見張ることがあります。自由で議論好きな風土を肌で感じて、とても面白いです。でも、一番ショックだったのは、みんな(学生さんも)加藤和人氏を「加藤さん」と呼んでいること。だって、助教授の「先生」でしょ、なんで「先生」って呼ばないの?! と、初めは大いにうろたえていた私。一方、加藤氏のほうは、「先生」付けされるのに違和感があって、困っておられたそうです。京大の中でも分野や研究室によって少し違うようですが、大学の先生を「さん」付けで呼ぶ習慣があるのです(他の大学でも、分野によってはあるらしいです)。アカデミックな議論に上下関係はいらない、という背景なのでしょうか。とにかく、こういうことを大事にする精神がある、ということ自体に刺激を受けました。学問をやろう! という感じがします。

というわけで、このサイトで私達が「加藤さん」と呼んでも失礼ではないようです。どうぞご了承下さいませ。

あちらこちらで新しい文化に触れて、ちょっと留学しているような気分です。

(加藤牧菜)


2004年11月25日(木)   21世紀COE 国際学生セミナー

「21世紀COEプログラム第三回国際学生セミナー」で、生命文化学講座初(!)のポスター発表を行いました。
この春できたばかりの研究室ということもあって、たくさんの方に訪れていただき、お話しすることができました。英会話はしどろもどろになりがちなので、トレーニングの必要性を思い知らされました・・・。

発表内容は、日本のゲノム研究者がこれまで社会との関わりにおいてどのような活動をしてきたかという歴史をまとめたものでした。
バーゼル免疫学研究所の所長を務められたDr. Fritz Melchersからは「日本人は何を基準にして倫理的判断をするのか?」「生命倫理の研究をするならゲノム研究よりも幹細胞研究のほうがよっぽど大切ではないか?」「あなたは何をコミュニケートしたいのか?」という質問をいただきました。うまく答えられなかったのですが「日本人には宗教を持たない人が多いけれど、ものごとは話し合って決めます」「幹細胞研究の倫理問題は重要だと思いますが、私の主な研究テーマは生命倫理ではありません」「私は研究のおもしろさをコミュニケートしたいです」とお答えしたところ「それはいいね、Congratulations!」と言われました。

インドネシア出身の留学生からは「科学者と社会との科学コミュニケーションも大切かもしれないけど、先進国と発展途上国の間でのコミュニケーションのほうが切迫した問題なのではないか」ということを、森林の伐採などを例に挙げながら言われました。私には思いつかなかったことなので、こうしていろいろな方と研究の議論ができるのは貴重な機会だと思いました。

生命科学系の大学院生は、研究費の配分がどのようにして決められるのかということに大きな関心があるようです。普段も同期の友だちからよく言われるのですが、今日も「そのあたりをぜひ研究してくれ」と複数の方から言われてしまいました。

このほかにもいろいろと有益な議論ができました。訪れていただいた方には本当に感謝しております。ありがとうございました。
演題は全部で86もありました。このCOEでは活発に研究が進んでいることを改めて感じました。私もがんばらなくては。明日からは、今日の発表内容を論文にまとめるべくがんばります!

(伊東真知子)


2004年11月18日(木)   お昼ごはんに何を食べますか?

「今日は何にしますかぁ?」。
毎日お昼の時間が近くなると、わたしか伊東さんが必ず口にします。なかなか決まらず、ギリギリまで悩んだものの、考えるのが面倒になり誰かが思いついたメニューに従うこともしばしば。わたしと伊東さんはいつもそんな調子ですが、他のお二人はと言うと…。

まず牧菜さん。必ず12時近くになるとそわそわし出し、あっという間にいただきますの声。体内時計に狂いが生じることはない! だいたいどこかで買ってくるか、お手製の弁当を持ってくるかのどちらか。
そして加藤先生。週の半分くらいは愛妻弁当。彩りもよく栄養バランスもよさそう。羨ましいというか、わたしにも作ってほしいというか、いやぁ、ごちそうさまです。

そして、みんなでお昼ごはんを食べながら(加藤先生のお弁当にチェックを入れつつ)、侃々諤々のミーティングが始まります。

(山本芳栄)


2004年11月9日(火)   秋の遠足に行ってきました


研究室総勢4人で秋の遠足に行ってきました。すばらしい秋晴れで、ちょうど木の葉が色づき始めていて、まさに散歩日和な一日でした。

平日の昼間だったせいか、目的地のお寺もそれほど混んでいなかったので、お庭に面した広間で思わず脚を伸ばして座ってみたり、寝ころんでみたり(伊東のみ)。体の芯からリフレッシュできました。
もみじ

リラックス
ところで、生命文化学講座は今年できたばかりなので、まだ年中行事というものがありません。これからだんだん慣習や歴史ができていくのが楽しみです。

(伊東真知子)




2004年11月4日(木)   ホームページリニューアルしました

こんにちは! 京都は秋晴れのいいお天気です。今日から研究室メンバーのひとこと日誌を始めます。私(加藤牧菜)、伊東さん、山本さんの順番で、週に1度ぐらいのペースでアップしていきたいと思います。
さて、先週末から今週にかけて、やっと加藤研のウェブの更新作業が一段落つきました。(夢にまでhtmlタグが出てきた。。。) もし何か気になる点がありましたら、ぜひご連絡いただけるとうれしいです。よろしくお願いします。
写真をいっぱい貼りましたので、「ゲノムひろばアルバム」を覗いてくださいね。これで少し研究室の様子がわかると思います。加藤研はまだ少人数なので、とても家庭的。加藤先生が「お父さん」ですね(と言うと、「お兄さんぐらいだろう!」と返ってきますが)。
今はみんなで分担して「ゲノムひろば」の報告書をまとめています。早く完成するように、がんばるぞー!

(加藤牧菜)




International network



科学技術イノベーション政策における

雑誌「医療・生命と倫理・社会」
アイセムスSCG

(竹沢教授)



大阪大学大学院 医学系研究科・医学部






大阪大学大学院医学系研究科 医の倫理と公共政策学

大阪大学大学院医学系研究科
医の倫理と公共政策学
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