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  • 熊ノ郷 淳≪呼吸器・免疫アレルギー内科学≫ 「セマフォリンはアクトミオシン収縮により樹状細胞のリンパ管の通過を制御している」

熊ノ郷 淳≪呼吸器・免疫アレルギー内科学≫ 「セマフォリンはアクトミオシン収縮により樹状細胞のリンパ管の通過を制御している」

呼吸器・免疫アレルギー内科学
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2010年5月30日 発表
掲載誌Nat Immunol. 11: 594-600 (2010)

セマフォリンはアクトミオシン収縮により樹状細胞のリンパ管の通過を制御している

セマフォリンファミリーは、従来発生過程での神経軸索の伸長方向を決定する「神経ガイダンス因子」とされてきた分子群であるが、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、多発性硬化症などの免疫疾患や、骨粗鬆症、心臓の突然死の原因など、種々の疾患の「鍵分子」であることが明らかになり、疾患治療の新たな創薬ターゲットとしても注目されている。Plexin-A1はセマフォリンの主要な受容体の一つであり、免疫系では樹状細胞に発現している。我々はPlexin-A1の免疫系での役割を明らかにする目的でplexin-A1欠損マウスを用いた免疫解析を行ったところ、Plexin-A1欠損下では樹状細胞のリンパ節への移動が障害されていた。更に詳細な解析により、樹状細胞が微小リンパ管を通過する過程において、リンパ管から分泌されるSema3Aが樹状細胞の後端部に作用し、アクトミオシン収縮で樹状細胞移動を制御していることが示された。

呼吸器・免疫内科学