2010年

 

中野 敦、高島 成二≪分子心血管医学≫ 「AMPKはCLIP-170のリン酸化を介して微小管伸長スピードおよび細胞遊走を調整する」

分子心血管医学
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2010年5月23日 発表
掲載誌Nature Cell Biology  12(6), 583-590 (2010)

AMPKはCLIP-170のリン酸化を介して微小管伸長スピードおよび細胞遊走を調整する

AMPKはATPの低下を感知して活性化されるリン酸化酵素ある。AMPKは低酸素をはじめとするさまざまなエネルギー代謝の異常により活性化され生体でのストレス応答に深く関与している。
これらの過程の中で、AMPKの活性化は細胞極性の形成にも重要であることが知られていたがその分子メカニズムは不明であった。本論文ではAMPKの基質であるCLIP-170を心臓組織から新たに精製同定し、AMPKの細胞極性形成における役割を明らかにした。
 AMPKによるCLIP-170の微小管運動の制御が明確に示されたことで、エネルギー枯渇状態における微小管動態制御という全く新しいストレス応答機序が明らかにされた。