寄附講座

ライフスタイル医学

生活習慣の改善による健康づくりをアシストする
  • 食事・運動・睡眠など生活習慣と健康の関連についての臨床研究
  • 効果的かつ楽しく日常生活に取り入れることが可能な生活習慣改善プログラムの開発と臨床応用
  • アプリなどデジタル治療としての開発により、広く臨床現場や一般社会での実用化を目指す
  • 健康寿命の延伸、生活の質の向上、医療費適正化効果が期待できる
  • 出汁や発酵食品の健康効果や食事への取り入れ方の検討と国際認知・導出

食事や運動など生活習慣の改善による健康づくりを目指して

従来の医学では、生活習慣と健康との関連は「あたりまえ」として捉えられることが多く、医学的研究はあまり行われてきませんでした。しかし、人生100年時代となった現在、健康維持のための日々の生活習慣の重要性があらためて見直されています。私たちはこれまでに、健康的な食生活や睡眠習慣が糖尿病や脳梗塞など生活習慣病発症リスクの低下[1,2]、死亡リスクの低下[3]、炎症性バイオマーカーの低下[4]、QOLの改善[5]と関連することを報告してきました。

さらに、近年の肥満や生活習慣病患者の増加に伴う医療および社会ニーズに応えるべく、最新の栄養疫学エビデンスに基づき、有効かつ楽しく継続可能な生活習慣改善プログラムの開発に取り組んでいきます。対面で行うプログラムに加えて、デジタル治療としてのプログラムやアプリケーション開発も視野に入れ、広く臨床現場や一般社会における実用化を目指します。

また、健康的な食事で知られる日本の食文化の中で伝統的に使用されてきた出汁や発酵食品に着目し、ヒトでの臨床研究を通してその健康効果の検証や日々の食事への取り入れ方を検討することで、日本独自の健康的食事の効果を世界へ発信していきます。

<参考文献>

1. Baden MY et al. Neurology 96: e1940-53, 2021
2. Baden MY et al. Diabetes Care 43: 1219-26, 2020
3. Baden MY et al. Circulation 140: 979-91, 2019
4. Baden MY et al. Journal of Nutrition 149: 676-86, 2019
5. Baden MY et al. British Journal of Nutrition 124: 960-70, 2020