共同研究講座

疾患データサイエンス学

画期的な個別化医療や新規治療法の開発を実現するためのがんプロファイリングの確立
  • 新規の核酸系抗がん剤(TAS102など)が、がん幹細胞に与える効果と耐性を究明
  • 消化器のがん幹細胞、がん代謝、One Carbon代謝を標的とした新しい創薬
  • 核とミトコンドリアのコミュニケーションの理解と革新的な創薬
  • RNAモドミクスを基軸としたバイオマーカー開発と創育薬
  • トランスオミックス解析と医療の高精度化

最先端融合型の叡智を結集し「がん幹細胞」の性状を研究開発し、がん幹細胞のがん代謝解析、次世代核酸創薬等を通じて産業界の貢献を目指す。

最先端融合型の叡智を結集して世界に類を見ない創薬・育薬プラットフォームを構築することにより、病態の中核を成す「がん幹細胞」の性状を応用可能なレベルにまで掘り下げて研究開発します。基礎から臨床に線状に伸びる型通りの従来線路とは一線を画し、アカデミアの柔軟性を最大限に発揮して多次元の情報ネットワーク的知識の集積と応用展開を目指します。患者病態を忠実に反映する高精度ヒト化モデルの構築、がん幹細胞の革新的ながん代謝解析、トランスオミクス解析、高精度予測分子マーカー、コンパニオン創薬、次世代核酸創薬、画期的薬剤到達システム、ドロップ再開発等を通じて産業界に貢献をすることを目指します。特に新規の核酸系の抗がん剤であるTAS102などが、がん幹細胞に与える効果と耐性に主眼を据えて究明します。その解析のためには最新の考え方や解析腫瘍を取り込みます。核酸系の医薬品とバイオマーカーでは、マイクロRNAおよび非コードRNAの研究にも頂点をあてて研究しています。また代謝解析で、新しいオンコメタボライトを探索して、それと発がん、がん進展、そして治療効果との関連性を研究しています。具体的には、がん幹細胞におけるがん代謝、One Carbon代謝(葉酸代謝とメチオニン代謝を含む代謝経路)を標的とした新しい創薬の展開、核とミトコンドリアのコミュニケーションの理解、RNAモドミクスを基軸としたバイオマーカー開発と創育薬、さらにトランスオミックス解析(どんな遺伝子やたんぱく質が働いているか(Omics)の各階層にまたがるネットワークを網羅的に再構築する方法)と医療の高精度化までシームレスに展開します。そして新しい解析手法として、機械学習と深層学習をデータサイエンスとして実装することも取り組みます。産学連携における大阪大学としてのアカデミアの成果を最大限に発揮することを目指します。興味のある方との協働した研究の活動を期待しています。