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伝習から発信へ。大阪大学大学院医学系研究科・医学部の最新情報。

武部 貴則 教授(器官システム創生学)が着任しました

教授 武部 貴則 (たけべ たかのり)
大阪大学では、内分泌系や循環器系、血液系などといった生体インフラシステム(系統)間の相互作用を加味した肝・胆・膵器官創生術を開発したいと思います。また、AI・数理をはじめ、医学の領域外の知見を統合することで、代謝という切り口から人類の多様性を理解することを目指します。以上を通じて、n=1のレベルで、生活者や患者の皆さんに新しい臨床的価値を提供し、教室のビジョンであるMy Medicine(マイ・メディシン)を具現化します。

これまでの業績の紹介

私達のグループでは、生物の持つ緻密な器官形成メカニズムを人為再現することで、複雑な器官形成を誘導する細胞操作技術を開発してきました。特に、多能性幹細胞を用いた肝胆膵領域の分化誘導研究において、血管・間質・免疫・隣接器官系などを含む複雑なオルガノイドの創出に成功しました。さらに、これらを駆使し、医薬品開発や再生医療応用などオルガノイドを用いて臨床医学への実質的還元を目指す新潮流、オルガノイド医学(Organoid Medicine)の概念へと発展させ、肝疾患患者を対象とした創薬や、ゲノム医療、移植医療開発を目指した研究に関する成果へと展開してきました。

略歴(主なものを抜粋)

平成23年3月 横浜市立大学 医学部医学科 卒業
平成23年4月 横浜市立大学 医学系研究科(臓器再生医学教室)助手
平成25年4月 横浜市立大学 医学系研究科(臓器再生医学教室)准教授(~平成29年12月)
平成28年1月 米国シンシナティ小児病院 Assistant Professor(令和3年~Endowed Associate Professor)
平成29年1月 米国シンシナティ小児病院 幹細胞・オルガノイド医療研究センター(CuSTOM)Director of Commercial Innovation
平成30年1月 横浜市立大学 先端医科学研究センター 教授(~平成30年12月)/コミュニケーション・デザイン・センター長
平成30年2月 東京医科歯科大学 統合研究機構 教授
平成31年1月 博士(医学)(横浜市立大学)
平成31年1月 横浜市立大学 特別教授/コミュニケーション・デザイン・センター長
平成31年4月 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科(器官発生・創生学分野)教授
令和5年1月 大阪大学 大学院医学系研究科 教授