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心房細動の早期発見をサポートする研究用アプリ「心房細動ナビ」、大阪大学が提供開始~Apple Watchでの心拍モニタリングで、脳梗塞リスク低減へ~

ポイント

  • 心房細動リスクの可視化と医療機関受診のきっかけづくりを目的とした心房細動の早期発見をサポートする研究用アプリの提供を開始
  • 心房細動は無症候性のものもあり、早期発見が困難であったが、Apple Watchと本アプリにより、早期発見・早期治療に結びつけることを目指す
  • 心房細動患者の早期発見・早期治療に結びつくことや、脳卒中リスク、心不全等のリスクの軽減、また得られたデータによるハイリスク症例の同定による心房細動治療の最適化に繋がることに期待

概要

大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学の須永晃弘特任助教(常勤)、外海洋平助教、坂田泰史教授らのグループは、心房細動リスクの可視化と医療機関受診のきっかけづくりを目的とする、Apple Watch を活用した臨床研究用アプリ「心房細動ナビ」の提供を11月12日から開始しました。

研究グループは、心房細動についての研究を行っています。これまでの研究により、心房細動患者が十分な治療が受けられていないことが分かっております。突然のめまいや動悸は、心房細動の兆候であり、脳梗塞のリスクにつながる可能性があります。しかし、発作性や無症候性のものは本人が自覚しづらく、気づかれないまま放置されていることが課題でした。

本アプリは、自覚症状と客観的な測定データを組み合わせることで、受診のきっかけを提供し、脳梗塞リスクの低減につながることを目指しています。

研究の背景

脳卒中は、日本において要介護状態となる主な原因の一つであり、その約4分の3を脳梗塞が占めています。その中でも、塞栓源が不明な脳梗塞の多くは、気づけていない心房細動によるものとされています。心房細動の中でも、発作性や無症候性のものは、本人が自覚しづらく、気づかれないまま放置されていることが課題でした。

研究チームは、これまでの心房細動に関する臨床研究の知見を活かし、Apple Watchを用いて日常的に心臓のリズムを記録し、医療機関への受診をサポートする「心房細動ナビ」の開発を行いました。

アプリの機能

「心房細動ナビ」では、Apple Watchを使って心臓リズムを継続的にモニタリングし、日々の心臓リズムを把握することで、医療機関への受診のきっかけ作りをサポートします。
ご自身の持病などの入力情報から心房細動発症時の脳梗塞リスクを見える化し、あなたの健康管理の質向上につなげます。
アプリによって取得された匿名化データは研究に活用し、医療の発展に貢献します。

アプリ開発が社会に与える影響(本研究の成果の意義)

 「心房細動ナビ」に使用が心房細動患者の早期発見・早期治療に結びつき、心房細動が引き起こす脳卒中リスクや心不全等のリスクを軽減することができると考えられます。
また、得られたデータよりハイリスク症例の同定など、心房細動診療の最適化に繋げることができると考えられます。

研究者のコメント

<須永 晃弘 特任助教>

心房細動患者は100万人を超え、心不全や脳梗塞などの原因となり多くの方々が生活を脅かされております。早期発見し速やかに対応すれば予防可能であることが多く、早期治療を実現すべく本研究を行いました。本研究が社会全体の健康へと結びつくことを切実に願っております。

特記事項

【アプリ概要】 

アプリ名:心房細動ナビ
価格:無料 
対応端末:iPhoneApple Watchの連携も必要)
提供元:国立大学法人 大阪大学 
配信開始予定日:2025年11月12日より配信開始

App Store URL・QRコード
https://apps.apple.com/jp/app/%E5%BF%83%E6%88%BF%E7%B4%B0%E5%8B%95%E3%83%8A%E3%83%93/id6754697767

本研究は、クラウドファンディングの資金により行われております。(https://readyfor.jp/projects/handai-af2023