研究対象者募集のお知らせ

虚弱高齢者見守り研究

※ こちらの動画からも概要をご覧いただけます。

お忙しい中こちらのページをご覧いただき誠にありがとうございます。こちらでは当教室が実施している研究「軽度認知機能障害あるいは初期認知症のある在宅独居高齢者に対する見守りシステムの構築」(通称:虚弱高齢者見守り研究)について概要をご説明するとともに、研究にご協力できる方を募集させていただいております。課題名にはあるものの、認知機能低下のない方もご参加いただけます(詳しくは後述)。

虚弱高齢者見守り研究は、2019年度より実施しているプロジェクトです(http://www.ids.osaka-u.ac.jp/ildi/overview/research-projects/p01/index.html)。文部科学省「Society 5.0 実現化研究拠点支援事業」において、大阪大学が「ライフデザイン・イノベーション研究拠点事業」の研究拠点に採択されたことで参画することとなりました。

これまでの2年間で私達は多くのご自宅にお伺いし、大阪大学産業科学研究所(八木研究室)、先導的学際研究機構(西尾研究室)、医学系研究科看護実践開発科学(山川みやえ先生)と協働してセンサリングシステムの工夫を凝らしてきました。今後はこのシステムを、できるだけ多くのお一人暮らしのご高齢の方のご自宅に設置させていただき、その有効性を検証したいと思っております。

設置するセンサー類

  1. 小型人型ロボット(RoBoHoN: https://robohon.com/
  2. 睡眠センサー(Deep Sleep ANALYZER: https://activesleep.jp/asa/
  3. 動作観察カメラ、温度カメラ ※プライバシー保護しています
  4. 室温・湿度・騒音センサー

研究参加に必要な条件

  1. 60歳以上
  2. お一人暮らし(施設入居は不可)
  3. 大阪府在住(吹田市、茨木市、箕面市在住の方が優先になります)

※なお、認知機能正常の方もご参加いただけます。
※他にもいくつかの条件がありますが、ご相談をいただいてから判断させていただきます。

ご興味を持たれましたら、まずはお気軽にkyojyaku-mimamori@psy.med.osaka-u.ac.jp(担当:西田)までお問い合わせください。

Society 5.0とは?

狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。

皆さんも実感されていると思いますが、これまでのたった20年間程度で科学技術は目覚ましく発展し、特にPC・スマートフォン・タブレットなどのデバイス、インターネットを利用した検索エンジンサービス・SNSサービスの洗練と普及によって私達の生活は一変しました。しかしそうした情報をすべての人がうまく利用することは難しく、情報から必要な情報を見つけて分析する作業が負担であったり、年齢や障害などによる労働や行動範囲に制約がありました。Society 5.0では、フィジカル空間のセンサーからの膨大な情報がサイバー空間に集積されます。サイバー空間では、このビッグデータを人工知能(AI)が解析し、その解析結果がフィジカル空間の人間に様々な形でフィードバックされます。そうしてこれまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会を目指すことができる、とされています。

本プロジェクトでは、センサリング技術によりサポートが不足しがちな独居高齢者の生活上の改善点を見出し、それを自ら色々と操作しなくても受動的に受け取ることができるようなシステムの構築を目指しています。さらに、高齢者が受動的に技術を享受するだけではなく、情報社会の中で意欲的に生活できるような自然な声掛けやリズムづくりの工夫も凝らしています。

参考:https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html(内閣府HP)