臨床研究にご参加の方へ

大阪大学精神医学教室では、診断治療法の向上や未来の精神医療に貢献するための臨床研究を行っています。これらの臨床研究は倫理委員会の承認を受け、個人のプライバシーや人権が守られるように細心の注意を払って実施されています。

なお国が定めた指針に基づき、いくつかの承認された研究については研究の目的を含めて研究の実施についての情報を公開するとともに、参加拒否の機会を保障することが必要とされております(オプトアウト)。これらオプトアウトを用いた臨床研究への協力を希望されない場合は、文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究(医師向け)

本研究では、精神科における診療ガイドラインの講習を行い、その医療機関における治療に影響を与えるかどうかについての検討を行い、精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果を検証し、より適切な治療が広く行われることを目的としております。

統合失調症患者からのリンパ芽球由来の人工多能性幹細胞(iPS細胞)樹立とそれを用いた病態解析・治療法探索

本研究では、統合失調症の人工多能性幹細胞(iPS 細胞)を作成し、それをさらに神経系の細胞やその他の細胞に分化させて病態を解明し、診断法・治療法を解明することを目的としております。

精神病性障害関連遺伝子の解析研究

統合失調症をはじめとする精神病性障害では遺伝的要因が強く働いていることが明らかにされており、1)疾患感受性遺伝子を同定し、2)臨床特性(治療への反応性、認知機能、自殺行動や画像所見などの中間表現型など)を検討しそれと関連する遺伝子を見出すことを目的としております。

認知症患者の行動・心理症状に対する外来・入院治療の現状に関する実態調査

本研究では認知症に伴い出現する行動・心理症状に対してよりよい治療を探索するために、どのような背景の患者さんに対してどのような状況で治療が開始となったか、また、実際にどのような治療が行われたかについて調査しています。

ICT(情報通信技術)を利用した認知症ケアのための情報収集・蓄積とグッドプラクティス自動抽出システムの開発と検証研究

本研究で我々は、認知症の方の症状に対する有用な対応方法を明らかにするため、「認知症ちえのわnet」というウェブサイトを構築しました。認知症の方に対して行った対応方法を介護者の皆様から広く収集・蓄積して、様々な対応方法の奏功確率を算出しています。

軽度認知障害と睡眠障害の関連の検討

本研究では、MCI患者においてどのような睡眠障害が存在するのか、また、睡眠障害がどのように認知症への進行と関連しているのかを調査し、認知症発症を予防するための早期からの対応に役立つ知見を得ることを目的としています。

超高感度デジタルELISAを用いた精神疾患バイオマーカーの開発研究

血液中に含まれるごく小さな粒子を取り出す方法を開発し、さらにその中に含まれる微量の物質を調べることで病気の診断や重症度などの手掛かりになる物質を見つけるための研究です。採血の際に余分に採らせていただいた血液や、検査後に余った髄液などを用いて、これまでの1000倍の解析精度がある機器を用いて新しく研究を行なっています。2019年3月から2022年3月までの予定で行われています。

神経心理専門外来を受診した認知症およびその前駆状態が疑われる患者の経年変化

本研究では、初診時の正確な診断と経時的な評価を実施し、初診時の情報から今後の症状の進⾏を予測するための情報を収集することすることを目的としております。

前頭側頭葉変性症の早期診断法開発および、自然歴に影響する臨床・遺伝因子の探索

本研究の実施にあたり、既存の剖検例を新たな同意取得無しに本研究の対象として情報を使用致します。①病理学的にFTLDと診断される可能性のある臨床像を示す疾患の認知機能、日常生活活動 (ADL)、介護負担度、頭部MRIを前方向的に評価し、各臨床病型の自然歴を把握する、②臨床診断と病理診断との一致率を確認する、③ 髄液・画像・遺伝子を用いたバイオマーカーを開発する、④既存の診断基準を基に新たな診断基準を構築する、以上を目的としております。

アミロイドPET を用いた軽度認知機能障害患者に関する観察研究

本研究は、軽度認知機能障害患者を対象としてアミロイドPET検査を行い、その後の経過を観察することで、アミロイドPET陽性所見とアルツハイマー型認知症の発症との関係を明らかにすることを目的としています。

脳脊髄液を用いた認知症診断マーカーの臨床的有用性の検討

本研究は、脳脊髄液中にある物質を測定して、認知症の発症と関係のありそうな物質を見つけ出すことで、認知症の発症機序メカニズムの解明やその治療に役立てようという目的で行います。

神経科・精神科患者の試料および診療情報の保存を行う包括同意

病気の診断および治療方針の決定の目的で行う検査の時や手術の際に取り出した血液、組織などの、必要な検査終了後の残った部分や、同意を得られた方から将来の研究のために改めて採取させていただく血液を保管し、広く医学の進歩のため、個人を特定できない形で研究あるいは医学教育に利用します。

虚弱高齢者見守りプロジェクト(RoBoHoN使用):研究協力者募集

本プロジェクトでは、センサリング技術によりサポートが不足しがちな独居高齢者の生活上の改善点を見出し、それを自ら色々と操作しなくても受動的に受け取ることができるようなシステムの構築を目指しています。さらに、高齢者が受動的に技術を享受するだけではなく、情報社会の中で意欲的に生活できるような自然な声掛けやリズムづくりの工夫も凝らしています。

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ロールシャッハテストの実施状況に関する調査研究

ロールシャッハテストの実施状況を調査し、当検査の今後の有効な活用方法について検討します。2006年から承認までの過去の情報に加え、2023年末までに得られた情報を収集します。

脳波解析による精神神経疾患の診断・治療効果・予後に関する研究

本研究では、当院で計測した脳波に対して、新しい解析技術を適用し、脳波から精神神経疾患の診断・治療効果・予後を検討する技術を開発することを目的とします。これまでに、精神科で、診療および研究目的にて計測された脳波を集め、これを用いて改正を行います。

児童思春期・発達障害専門外来患者・家族の精神身体状態に影響する要因の探索

本研究の目的は、ご本人およびご家族の初診時以降の情報を調査し、精神身体状態に影響を与えていると考えられるリスク要因を探索的に検証することです。当科専門外来受診時に収集された臨床情報および各検査データの関連を調べます。

「認知症におけるボルナウイルス属ウイルス感染の検討」に関する研究

本研究の目的は、認知機能低下とボルナウイルス属ウイルスの感染とのあいだに関連があるかどうかを調べることです。方法は採血し保存させていただいている血液を用いて、ボルナウイルス属の4種のウイルスに対する抗体を測定し、その結果と認知症のタイプおよび認知機能検査結果との関連を調べます。また、健康対照群、他疾患対照群との間で、抗体検査結果の比較検討も行います。

「J-TRC研究にオンサイト研究」に参加された方へ

「認知用プレクリニカル期・プロドローマル期を対象とするトライアルレディコホート構築研究」では、以下の変更を通じて、皆様からご協力いただいた音声記録を、新しいアルツハイマー病のデジタルバイオマーカーの探索に活用できるようにすることになりました。・録音された音声から、個人が特定できるような情報は削除した上で、将来的に音声解析を行えるような研究での利用が可能になるようにいたします。