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人工心臓・心移植・DT治療

講師
吉岡 大輔

人工心臓や心臓移植は、どの施設でも手術を受けられますか?

人工心臓は実施施設が決まっていて、全国に44施設(2022年10月時点)あります。心臓移植をする施設は現在11施設認められています(2021年1月時点)。大阪大学ではいずれの手術も実施可能です。

人工心臓や心臓移植は、どの様な患者に手術するのですか?また、年間どのくらいしていますか?

代表的な病気として拡張型心筋症や虚血性心筋症がありますが、他に比較的まれな重い心臓病もあります。薬物治療や他の手術では治療困難な患者さんに人工心臓を植え込む手術を行いますが、適応については委員会で厳格に議論し、適応と判断された患者さんのみに行います。例年20例前後行っております。

DT治療とは何ですか?

重症心不全の治療の一つの選択肢として、心臓移植を前提とせずに左心補助人工心臓(LVAD)を植え込む治療(Destination therapy:DT治療)が2021年5月に保険償還されました。大阪大学も国内7カ所の実施施設の一つです。

心臓移植の待機期間はどのくらいですか?

心臓移植を受けた人の平均的な待機の期間は約3年でしたが、最近は移植待機している患者さんが増え、相対的にドナーが不足しており、5-6年と長くなってきているのが実状です。

心臓移植後は、どのくらい生きられますか?

心臓移植後の5年生存率は90%以上、15年でも80%以上と、世界的にみても良好な成績を治めており、長く生存できることが期待されます(世界の生存率 5年:約70%、15年:約40%、JHLT. 2017 Oct; 36(10): 1037-1079)。