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近藤誠准教授が平成30年科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました

近藤誠准教授(神経細胞生物学)が、平成30年度文部科学大臣表彰において、若手科学者賞を受賞しました。受賞テーマは「経験依存的脳可塑性の機序解明から精神疾患創薬を目指す研究」です。表彰式は417日に文部科学省で行われました。

現在、多くの精神疾患には有効な治療法がなく、新たな治療薬の開発が望まれています。近藤准教授は、「刺激の多い環境」や「運動」には脳に有益な効果があることに着眼し、刺激を多く受けたマウスの海馬ではモータータンパク質KIF1Aが増加してシナプスが増え、学習能力が向上する機序を解明しました。また、運動すると海馬でセロトニンが増加し、セロトニン3型受容体を介して海馬神経新生が増え、抗うつ効果が得られる機序を解明しました。さらに、セロトニン3型受容体を介する抗うつ機序は、既存の抗うつ薬とは異なる新たなメカニズムであることを解明しました。本研究成果は、精神疾患に対するユニークで新しい治療薬の開発に繋がり、多くの患者さんの苦痛軽減や人々の心の健康に貢献できると期待されています。

<近藤准教授のコメント>
このような栄誉ある賞をいただけたことは、大変光栄です。これまで研究のご指導を賜りました東京大学の廣川信隆先生、大阪大学の島田昌一先生をはじめ、多くの先生方に心より感謝申し上げます。本受賞を励みに、より一層研究を発展させることができるよう、精進したいと考えております 。

 

【参考】大阪大学ホームページ 阪大Storyz
運動と同じメカニズムの 抗うつ薬の開発に挑む 〜「脳を知りたい」知的好奇心が原動力〜