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大阪大学と米国リリー社が肥満予防への革新的なアプローチに関する共同研究契約を締結しました

 

2016年8月25日、国立大学法人大阪大学(以下、大阪大学)と、イーライリリー・アンド・カンパニー(本社:米国インディアナポリス。以下、米国リリー社)は、肥満予防への革新的なアプローチに関する共同研究契約を締結いたしましたので、お知らせします。この共同研究契約は、米国リリー社が、昨年9月に日本で初めて開催した創薬共同研究のマッチングイベント「イノベーション・デイ・ジャパン」※の成果の一つです。この契約により、大阪大学は石井 優(いしい まさる)教授(大学院医学系研究科/生命機能研究科)を中心に、米国リリー社は中国上海の糖尿病専門研究所リリー中国研究開発センターを中心に協力し、重点領域の一つである糖尿病において、その病態生理学に関連した肥満の進行プロセスに着目した研究をすすめてまいります。本共同研究では、大阪大学の基礎研究基盤や米国リリー社の創薬基盤から、両者の独自のノウハウを融合・活用し、肥満を予防するアプローチを探求します。

石井教授は次のように述べています。「我々はこれまでの研究により、肥満の疾患進行メカニズムを分子レベルで解明してきました。リリー社との共同研究において、将来的に肥満を含む成人病を予防する新規治療法をできるだけ早期に具現化したいと考えています。」

米国リリー社の糖尿病専門研究所リリー中国研究開発センターのジェネラル・マネージャーであるベイ・ザン氏は、今回の契約締結にあたり次のように述べています。「今回の共同研究は、昨年、東京で初めて実施したイノベーション・デイ・ジャパンの直接の成果です。石井教授は、糖尿病と関連の深い肥満について分子レベルで解明するノウハウをもつエキスパートです。糖尿病、なかでもアジア人の糖尿病には大きなアンメットニーズがあり、当社としても長年取り組んできた領域です。今回の共同研究で、世界で増加の一途をたどる肥満、糖尿病をくいとめる新しい治療法をお届けできるようになることを期待しています。」

日本イーライリリー研究開発本部糖尿病領域本部長 今岡丈士氏は、「イーライリリー・アンド・カンパニーは、1923年に世界で初めてインスリンを製剤化することに成功して以来、糖尿病治療の向上にコミットし続け、絶え間ない努力によって糖尿病治療薬の研究・開発・製造・販売を続けて来ました。本連携を通じて日本の大学との共同研究をさらに活性化し、一日も早く、一つでも多く、日本発の革新的医薬品を世界の患者さんのもとに届けることができればと期待しています。」と述べています。

イーライリリー・アンド・カンパニーについて

リリーは、世界中の人々の生活をより良いものにするためにケアと創薬を結び付けるヘルスケアにおける世界的なリーダーです。リリーは、1世紀以上前に、真のニーズを満たす高品質の医薬品を創造することに全力を尽くした1人の男性によって設立され、今日でもすべての業務においてその使命に忠実であり続けています。世界中で、リリーの従業員は、必要とする人々の生活を変えるような医薬品を開発し届けるため、病気についての理解と管理を向上させるため、そして慈善活動とボランティア活動を通じて地域社会に利益を還元するために働いています。リリーについての詳細はウェブサイトをご覧ください。
www.lilly.com および http://newsroom.lilly.com/social-channels.

※「イノベーション・デイ・ジャパン」について

米国リリー社は、日本国内に焦点を当てた創薬共同研究のマッチングイベント「イノベーション・デイ・ジャパン」を2015年9月10~11日に開催しました。重点領域である、がん、糖尿病、アルツハイマー型認知症、自己免疫疾患、疼痛の5領域で創薬シーズを募集し、「ファースト・イン・クラスになり得ること」が応募の条件で、「実証されたモデル系を持ち、何らかのヒットもしくはリード候補品があればなお望ましい」としました。社内でマッチング結果をまとめ、最終選考に残った研究機関と共同研究契約の締結に向けて協議してきました。