大阪大学 大学院医学系研究科 小児科学
Department of Pediatrics, The University of Osaka Graduate School of Medicine
大阪大学 大学院医学系研究科 小児科学
Department of Pediatrics, The University of Osaka Graduate School of Medicine
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新生児研究グループ
研究内容
●疾患iPS細胞/モデルマウスを用いたダウン症候群の病態解明と創薬開発
私たちは疾患iPS細胞の樹立・分化・解析に関する高い技術を持ち、最新のゲノム編集技術と組み合わせることで、力強く小児難病研究を進めています。とくにダウン症候群の病態メカニズム解明をメインテーマにすえ、その治療薬開発を目指しています。
これまでダウン症新生児に発症する造血異常(新生児一過性骨髄異常増殖症;TAM)の発症メカニズムを明らかにするとともに、その責任遺伝子の同定に成功しました(Banno et al. Cell Rep 2016)。さらにダウン症候群の知的発達障がいの病態解明に取組み、染色体異常がもつストレス作用(Aneuploidy-associated stress;Nawa et al. PLOS ONE 2019, Hirata et al. Sci Rep 2020)およびDYRK1A遺伝子が引き起こす神経発生異常のメカニズム(Kawatani et al. Commun Biol 2021)を明らかにすることができました。疾患iPS細胞とゲノム編集技術をもちいた小児難病研究の拠点として、今後ダウン症候群の治療法開発に進んでいきます。
現在、大学院生を募集中です。出身大学、学部、研究経験などはまったく問いません。とくに他大学卒の小児科医・新生児科医が多く在籍しており、みんながやりがいのあるテーマを1つずつもち、研究の基礎を学びつつ、全員が優れた英文雑誌に論文投稿しアクセプトされるところまでたどり着いています。
卒業まで丁寧かつ親身に面倒を見ることを確約します。医学研究に興味のある方はぜひ気楽に話を聞きに来て下さい。
【研究助成】
●北畠康司(教授)の研究課題「国産ゲノム編集技術とLNPをもちいたダウン症候群のin vivo遺伝子治療基盤の構築」が、令和7-9年度、AMED「難治性疾患実用化研究事業(再生・細胞医療・遺伝子治療分野)」に採択されました。
https://www.amed.go.jp/koubo/11/02/1102C_00103.html
●川谷圭司(助教)の研究課題「ダウン症へのiPS細胞由来間葉系幹細胞の神経保護作用のメカニズム解明と治療法開発」が、令和7-9年度、日本学術振興会「科研費若手研究」に採択されました。
●李周蓮(大学院生)が、令和7-8年度、「日本学術振興会特別研究員(DC2)」として採用されました。
【受賞】
●南征樹(大学院生)が令和6年第60回日本周産期・新生児医学会学術集会「最優秀演題賞」を受賞しました。
●川谷圭司が令和6年度大阪小児先進医療研究会「学術論文賞」を受賞し、南征樹が「学術発表賞」を受賞しました。
●オンライン技術をもちいたNICUにおける先端医療技術の開発
コロナ禍による面会制限により、家族が生まれてきた赤ちゃんに会えなくなってしまいました。私たちは24時間面会可能なオンライン面会システムの構築を目指してクラウドファンディングに挑戦し、大きな反響を得ることができました。安全性と持続性を兼ねた独自のオンライン面会システム“OSAKA-Nシステム”が完成し、2021年7月より本格稼働しています。
●現在、NICUにいるすべての赤ちゃんにオンラインでの面会が可能です。
●他病棟へも利用を広げ、長期入院中の小児患者、認知症をもつ高齢の患者にも使ってもらっています。
研究メンバー
教授
北畠 康司
助教
川谷 圭司、山本 哲史
特任助教
鶴長 玄哉
医員
織辺 圭太、大竹 理花
大学院生
南 征樹、岡本 宗一郎、幾島 裕介、李 周蓮、中村 実玖