医学系研究科・医学部附属病院とJohnson & Johnson Innovation 「早期研究シーズの発掘・育成に関する戦略的パートナーリング契約」 ~医療イノベーションのエコシステム構築を目指した新しい仕組み始動~

大阪大学大学院医学系研究科ならびに医学部附属病院は、健康・医療分野における早期研究シーズの発掘とその育成を加速するためにJohnson & Johnson Innovation, a Division of Johnson & Johnson (China) Investment Ltdと締結した「戦略的パートナリング契約」※を公表しました。
概要
大阪大学大学院医学系研究科、医学部附属病院では、2015年12月に「産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ」を立ち上げ、「大阪大学 健康・医療クロスイノベーション会議」の開催のほか、多様な分野の先進的な企業・機関との包括的な連携を推進しています。そして、健康・医療分野におけるイノベーションの実現に向け、組織・分野を越えた多様な連携の推進、人材育成・交流、学術研究の振興と研究成果の事業化、社会活用の推進を図ることを目的とし、多様な先進的な企業・機関と「研究・事業化連携の推進に関する協定書」(包括連携協定)を結んでおります。
Johnson & Johnson Innovation は、「世界最大級のヘルスケアカンパニー」であるJohnson &Johnsonのグループ企業であり、医薬品、医療機器、診断機器、コンシューマー製品等の領域におけるイノベーションを見出し、育てることで次世代のヘルスケア産業を創出することを役割としています。米国、英国、アジアパシフィックに開設されたイノベーションセンターでは、大学等の研究機関やバイオテクノロジー企業、ベンチャー企業が取り組む初期段階の研究を発掘し、オープンイノベーションで事業化が次々に推進される、イノベーションのエコシステムが構築されています。
このたび、大阪大学大学院医学研究科・医学部附属病院と本契約を締結したことにより、Johnson & Johnson Innovationは、外資系ヘルスケア企業では第1号として、「産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ」の戦略的パートナーとなりました。同契約の締結により、大阪大学の有望な早期研究シーズがオープンイノベーションにより育成され、ひいては実用化・事業化が促進されることで大阪の地でもイノベーションのエコシステムが構築されるよう取り組んで参ります。
戦略的パートナリング契約締結の背景と目的
近年、大学発の再生医療等製品が保険承認されるなど、次世代の医療技術への期待が一層高まっています。しかしながら、我が国においては、早期研究シーズに対する研究費や事業化支援人材の不足、ベンチャー企業がリスクを負担するシステムが十分成熟していないなどの理由により、大学発の研究シーズが実用化・事業化まで到達することは極めて少ないのが現状です。
そこで、大阪大学大学院医学系研究科・医学部附属病院とJohnson & Johnson Innovationは、双方で協業して早期研究シーズを探索、選定し、Johnson & Johnson Innovationの持つリソースを最大限活用しながら、日本並びに世界中の患者のアンメットニーズに答えるため、新しいメディカルイノベーションの実用化に向けたシーズの育成支援を継続的に実施します。Johnson & Johnson Innovationは、大阪大学の有する医薬品、医療機器、コンシューマーの3つの事業分野における有望な発見や技術を初期段階で捉え、育成、開発さらには事業化する機会を有することができます。大学において、このようなプラットフォームを構築することは、アカデミアシーズの事業化、ひいてはヘルスケア領域におけるエコシステム強化の第一歩となるものです。
※本パートナーリング契約においては、研究開発に対する支援は個別に判断し、また、今回の契約がイノベーションの加速が目的であるため、研究結果の優先的開示(First look)や第一選択権は発生しません。
9月21日大阪大学中之島センターにて、記者発表が行われました。
登壇者:
大学院医学系研究科・医学部附属病院 産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ代表 澤 芳樹
Johnson&Johnson INNOVATION Asia Pacific代表 Dong Wu
Johnson&Johnson INNOVATION JLABS代表 Melinda Richter
戦略的パートナリング キックオフシンポジウム
2017年9月21日、最先端医療イノベーションセンターにおいて、「大阪大学大学院医学系研究科・医学部附属病院 / Johnson & Johnson Innovation 戦略的パートナリング キックオフシンポジウム」を開催しました。






プログラム
開会挨拶
澤 芳樹 産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ代表/心臓血管外科学 教授
講演1
【大阪大学の橋渡し研究の事例紹介】
座長:
熊ノ郷 淳 呼吸器・免疫内科学 教授
- 「New strategy for cancer immunotherapy(癌免疫治療の新戦略)」
金田 安史 大学院医学系研究科長 / 遺伝子治療学 教授
- 「Development of tissue regeneration-inducing medicine (組織再生誘導医薬の開発)」
玉井 克人 再生誘導医学寄附講座教授
- 「戦略的パートナリンクの概要」
井上 隆弘 産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ オフィサー
講演2
【about Johnson & Johnson Innovation】
座長:
澤 芳樹 産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ代表/心臓血管外科学 教授
- 「 How JJI and JLABS have nurtured early entrepreneurs to grow into successful start ups」
Melinda Richter Johnson & Johnson Innovation JLABS代表
- 「Introduction of Johnson & Johnson INNOVATION」
Dong Wu Johnson & Johnson Innovation アジアパシフィック代表
パネルディスカッション
座長:
楠 淳 Johnson & Johnson Innovation ディレクターニューベンチャーズジャパン(産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ招へい教員)
パネリスト:
澤 芳樹 産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ代表/心臓血管外科学 教授
玉井 克人 再生誘導医学寄附講座教授
Dong Wu Johnson & Johnson Innovation アジアパシフィック代表
Melinda Richter Johnson & Johnson Innovation JLABS代表
閉会挨拶
熊ノ郷 淳 呼吸器・免疫内科学 教授