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1) 核医学治療
α線核種アクチニウム用いた膵臓癌治療(Ac-FAPI-04)

当教室では、独ハイデルベルクとの共同研究によって、多くのがん種の間質に発現しているFAP(線維芽細胞活性化タンパク質: Fibroblast Activation Protein)に注目し、がん間質をターゲットにしたアルファ線治療薬の開発に成功しました。 1)
本治療薬([Ac-225]FAPI-04)を膵臓がんモデルマウスの静脈内に単回投与したところ、腫瘍に選択的に集積し、腫瘍の増殖抑制効果が認められました。1)
がん細胞の増殖を支えているがん間質をアルファ線で攻撃することで、治療効果が得られることが世界で初めて確認されました。
がん患者の生存率は全体として上昇傾向にありますが、膵臓がんの5年相対生存率は10%と依然としてかなり低い水準が続いており、既存の治療法の有効性は限られています。
今後、本治療薬の最適化を行い、将来的には難治性膵臓がんの患者さんにとって、有効な治療となることを目指しています。

1) Watabe T, et al. J Nucl Med. 2019