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HEARTROID(ハートロイド) PROJECT(プロジェクト)が開発した心臓カテーテルシミュレーターが米国The Good Design Awards 2020を受賞!

図:心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID®」

概要

大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学、株式会社JMC、フヨー株式会社が共同開発した心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID®」が、米国「The Good Design Awards 2020」を受賞いたしました。2020年のMedical部門では日本から唯一の受賞になります。

https://www.good-designawards.com/award-details.html?award=37752

The Good Design Awardsについて

The Good Design Awards」は、1950年にThe Merchandise Mart in Chicago(シカゴマーチャンダイズマート)とThe Museum of Modern Art in New York CityMoMA:ニューヨーク近代美術館)の支援により創設され、今年70周年を迎えました。現在はThe Chicago AthenaeumMuseum of Architecture and Design(シカゴ建築デザイン博物館)が主催し、世界のデザイン賞の中でも最も長い歴史があり、国際的に権威あるデザイン賞として評価されています。今年は48の国々から応募があり、デザインの革新性、技術の新規性、フォルム、素材、アーキテクチャ、コンセプト、機能、実用性、エネルギー効率、環境適合性など、さまざまな基準により、著名なデザインの専門家らによって審査されました。

HEARTROID®について

HEARTROID®は、実臨床と同じX線透視下にて、鮮明な血管造影画像を短時間の準備で再現します。持ち運び可能な設計であるため、手術室における本格的なトレーニングから、卓上でのイメージトレーニングまで、医師をはじめとする医療従事者が、場所を選ばずカテーテル操作のシミュレーションを簡単に行うことができます。3Dプリンターを用いて作られた透明な心臓モデルは、心臓の中でのカテーテルの動きを直接観察することを可能にし、X線透視だけでなく、超音波をはじめとする他のイメージングモダリティにも対応しています。狭心症や心筋梗塞に対してステントを留置するPCI(冠動脈形成術)、不整脈治療におけるカテーテルアブレーションやリードレスペースメーカーの留置、そしてTAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)に代表される弁膜症の治療など、多くの手術手技のトレーニングを行うことができます。また、拍動流を有し、解剖学的に精緻な3DモデルからなるHEARTROID®は、研究開発、試験、品質管理の目的で医療機器開発の現場でも広く活用されています。HEARTROID®は、HEARTROID PROJECTにより開発され、2015年に株式会社JMCより上市、202012月現在において世界19カ国へ導入されています。尚、本製品は医薬品医療機器等法上の医療機器ではありません。

HEARTROID 製品WEBサイト: https://www.heartroid.jp/

 

図:心臓カテーテルシミュレーターHEARTROID®の全体像

図:HEARTROID®によるX線透視下での心臓カテーテル治療シミュレーション

HEARTROID PROJECTについて

HEARTROID PROJECT」は、大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学、株式会社JMC、フヨー株式会社により、医師や医学生を対象とした、心臓カテーテルシミュレーターの開発を目的として、2013年にスタートしました。 プロジェクトのコンセプトは「世界の患者さんが安全に心臓カテーテル治療を受けられることを目指す」です。本プロジェクトは、2014年度に厚生労働省、2015年度から 2016年度において国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)より「医療機器開発推進研究事業」としての支援を受けています。