教室紹介

年度報告

2018年度報告

今年は、当科の大学院に8人入学し、別に他大学から2人の医師が当科で研修を開始する。さらに後期内科研修の2人が大学で神経内科医として病棟研修に加わる。予想を上回る大人数が集まったことで、机なども少なく申し訳ないと思っている。以上のことはある程度予想できたため、昨年度末に医局の改修工事を施行した。特に医局長の佐々木先生が設計などを頑張ってくれたおかげで、スタッフ、大学院生の机の数を増やすことができたのではないかと思う。これを機に、ともえ会の先生方も医局にお越しいただければ幸いである。

研修する上で、神経病理に関する問題点が幾つかあがっていた。具体的には、病理グループのリーダーであった隅先生が東大阪病院に移られてから、剖検や筋生検の件数が激減した。これには大変困っており、月に一回程度ご指導いただいていた東京都健康長寿医療センターの村山先生に今年度よりご指導いただく回数を増やしてもらうようお願いした。村山先生は、神経病理学会の理事長に御就任され、より地域の神経病理の発展を重視されていることもあり、ご快諾を頂いた。また、留学中の別宮先生にも4月に帰国してもらい、神経病理のシステムを今後はさらに活性化する予定である。ともえ会の先生方で病理の相談がある際には、是非ご連絡頂きたい。また、研修を更に充実させるために、現在大阪大学寄付講座でご活躍中の森悦郎先生にも高次機能に関する勉強会、症例検討会を開催して頂く予定である。

 研究面では、教室での研究が評価された一年であった。日本神経治療学会の治療学術賞を中森先生が受賞。山下先生が第30回日本神経免疫学会学術集会でYNA賞を受賞、奥野先生が同会で優秀賞を受賞した。藪本先生が米国の神経学会(ANA)でTravel Grant Awardと Poster Presentation Awardを受賞した。昨年度は、MDS Basic Science summer school を大阪で開催したが、その際に梶山先生がAwardを受賞した。また、大阪大学大学院の博士課程審査で優秀賞に河野先生、清水先生が選ばれた。これは、基礎講座を含めた審査で10位以内のalumniに送られる賞である。学内でも高い評価をされたのは嬉しい限りである。大学院生の頑張りはもちろんのこと、指導された教員の先生方にも感謝したい。

臨床では、北野先生が血管内治療の専門医を取得された。これで、現在4名の血管内治療専門医(藤堂先生は、指導医)が当教室で活躍している。今年度国立循環器病センター移転に伴い、脳卒中患者の増加が予想される。病棟医全員の脳卒中治療教育をさらに充実しなければならない。

2019年5月から山本洋一先生が未来医療開発部の教授に就任された。神経内科としては、大変おめでたい人事である。我々の教室も臨床研究では大変お世話になっており、益々のご活躍をお祈りしたい。

大阪大学大学院医学系研究科 神経内科学 教授 望月秀樹
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