研究ご協力のお願い

• 研究の目的および実施計画の概要
• 胸腺組織は、免疫構築の場として非常に重要な役割を果たしていますが、胸腺に胸腺腫などの異常が生じると重症筋無力症を始めとする自己免疫疾患を高率に生じることが知られています。 　現在様々な自己免疫疾患において、免疫抑制作用を有する薬剤が使用されていますが、その効果は限定的ですので多くの患者さんがより効果的で副作用の少ない治療法の開発を切望されています。 本研究では胸腺腫・胸腺過形成組織における胸腺上皮細胞・胸腺内免疫細胞の解析を行うとともに、自己免疫疾患罹患者の末梢血免疫細胞の特性解析、末梢血中および髄液中自己抗体産生解析を行うことで胸腺免疫システムの破綻と自己免疫疾患発症機序の解明を試みます。この研究により自己免疫疾患全般に普遍的な新しい病態の解明と革新的治療開発につながる可能性があります。

• 研究期間
• 2023年3月31日まで

• 研究の方法
• 試料提供者より提供された末梢血等約および摘出胸腺からRNA/DNAを抽出して、次世代シークエンサーによるRNAシークエンス,bisulfite sequencing, MeDIP-seq, MBD-seq, nanopore sequencing等の手法によるDNAメチル化解析、および遺伝多型解析を、分離した細胞群からはATAC-seq, DNaseI-seq等によるopen chromatin 解析、クロマチン高次構造解析、H3K27ac抗体、H3K4me3抗体、H3K27me3抗体等を用いたヒストン修飾解析等のエピゲノム解析をおこないます。

• 研究機関
• 大阪大学免疫学フロンティア研究センター、大阪大学医学系研究科神経内科学講座・呼吸器外科・遺伝統計学、保健学科　機能診断科学講座、微生物病研究所
　　　　　　　　　　　
• 大阪大学医学部附属病院 神経内科脳卒中科 　　　　　　　　　　　　　　研究責任者：木村康義（助教）
• 脳情報通信融合研究センター 　　　　　　　　　　　　　　施設責任者：下川哲也（主任研究員）

• 個人情報の取り扱い
• 試料を保存する際には患者さんの名前ではなく代わりに新しく符号（番号）をつけて保存し、個人名がわからないようにします。皆様の名前とこの符号の対応表は大阪大学医学部神経内科においてのみ保存し臨床情報と検体の測定結果は大阪大学医学部神経内科において解析し外部へ情報が出ることはありません。また、学会や論文等で検査結果に基づいた研究成果を発表したり バイオサイエンスデータベースセンター（NBDC）データベース等で公に発表されることがありますが、その際には検査を受けられた方の氏名や氏名を特定できるような情報を明らかにするようなことはありません。そうすることで、国内外の多くの研究者がデータを利用することが可能になり、病気の診断や予防、治療等をより効果的に行うために役立つことが期待されます。公的データベースからのデータの公開では、日本国内の研究機関に所属する研究者だけではなく、製薬企業等の民間企業や海外の研究機関に所属する研究者もデータを利用する可能性があります。将来、どの国の研究者から利用されるか、現時点ではわかりません。しかし、どの国の研究者に対しても、国内法令に沿って作成されたデータベースのガイドラン等に準じた利用が求められます。 本研究のゲノムデータ等は制限公開データとし、科学的観点と研究体制の妥当性に関する審査を経た上で、データの利用を承認された研究者に利用されます。 神経内科内で測定ができない物質を測定する場合は残り検体の一部を上記の外部研究施設に送付する場合があります。これらの場合も符号のみをつけた検体を送付し、個人情報が外部へ出ることはありません。

• 情報の保管、破棄について
• 人体から採取した試料（検体）は、初回に測定していなかった分子等を改めて測定する場合に備えて当科の冷凍庫で保存します。症例報告書等の診療情報から得た資料については個人情報を厳重に管理した上で保存します（保存期間10年間）。

• 研究対象者に研究への参加を拒否する権利を与える方法
• 万一、この研究への参加を希望されない場合や、途中から参加の取りやめを希望される場合には主治医に直接お申し出いただくか、下記連絡先にご連絡ください。

• 相談窓口
• この研究について、更に詳しい内容を知りたい場合や、研究に対しての質問等がございましたら、下記連絡先の研究担当者までご連絡ください。
• 大阪大学大学院医学系研究科　神経内科学講座　准教授　奥野龍禎　
　　　　　　　　　　
• 電話番号 06-6879-3571