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第385回 大阪大学臨床栄養研究会(CNC)

第385回 大阪大学臨床栄養研究会(CNC)
日時平成30年3月12日(月)18:00~
場所大阪大学医学部講義棟2階B講堂
演題医原性サルコペニア・フレイルに対するリハビリテーション栄養
演者

横浜市立大学附属市民総合医療センターリハビリテーション科
若林秀隆

概要

医原性サルコペニア・フレイルとは、①病院での不適切・不要な安静や禁食、②病院での不適切な栄養管理、③医原性疾患によるサルコペニア・フレイルである。例えば、誤嚥性肺炎の入院患者の場合、入院時の適切な評価なしに「とりあえず安静・禁食」、末梢静脈栄養で1日300kcal程度の「とりあえず水電解質輸液」のみといった不適切な栄養管理が行われやすい。その結果、急速に医原性サルコペニア・フレイルが悪化して、ねたきりや摂食嚥下障害となりやすい。
医原性サルコペニア・フレイル対策には、リハ栄養の考え方が有用である。リハ栄養とは、ICF(国際生活機能分類)による全人的評価と栄養障害・サルコペニア・栄養素摂取の過不足の有無と原因の評価、診断、ゴール設定を行ったうえで、障害者やフレイル高齢者の栄養状態・サルコペニア・栄養素摂取・フレイルを改善し、機能・活動・参加、QOLを最大限高める「リハからみた栄養管理」や「栄養からみたリハ」である。入院後2日以内に適切な評価を行ったうえで、早期離床、早期経口摂取、適切な栄養管理を徹底することが、医原性サルコペニア・フレイルの予防となる。医原性サルコペニア・フレイルの治療には、異化期でない時期にエネルギー蓄積量(1日200~1000kcal)を加味した攻めの栄養管理とリハの併用が必要である。

世話人 :大阪大学大学院 老年・総合内科学 杉本 研
E-mail: sugimoto@geriat.med.osaka-u.ac.jp
次回386回CNCは消化器外科Ⅱ 土岐 祐一郎 先生のお世話で、平成30年4月9日(月)に開催予定です。