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第413回 大阪大学臨床栄養研究会(CNC)

第413回 大阪大学臨床栄養研究会(CNC)
日時

令和6年5月13日(月)18:00〜

開催方法

大阪大学医学部講義棟2階 B講堂(吹田市山田丘2-2)
Zoomによるオンライン同時開催
Webによる参加方法はこちらをご参照ください

テーマ・講師

「間接熱量計を活用した栄養管理 ~急性期から慢性期まで~」
 大阪大学医学部附属病院 栄養マネジメント部   森田  隆介 先生
 大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター  清水 健太郎 先生

概要

 間接熱量測定とはエネルギー消費量を実測する測定法の一つであり、専用の機器にて酸素消費量(VO2)と二酸化炭素産生量(VCO2)を測定することで、安静時エネルギー消費量(REE)と呼吸商(RQ)を正確かつリアルタイムに算出することが可能である。

 通常、必要エネルギー量の算出についてはHarris-Benedictの式や標準体重を用いた簡易式を使用することが一般的ではあるが、敗血症や熱傷、慢性呼吸不全や神経性食思不振症などエネルギー代謝の変動の予測がつきにくい様々な病態の場合において、正確に算出することは困難である。このような場合には間接熱量計を用いて測定することが、各種ガイドラインでも推奨されている。しかしながら実際にREE測定を行った症例についての報告は少数である。

 当院ではNST活動の一環として管理栄養士が間接熱量計で患者のREE測定を行い、適切な投与エネルギー量を算出し、その後の投与栄養量の提案に活かしている。例えば、熱傷は、侵襲に応じて簡易式では25~30kcal/kgであるが、測定すると3500kcal/kgを超える時期もあった。体重20kg台のBMIが10を切るような極度の低栄養症例ではリフィーディング症候群予防として初期は5~10kcal/kgで4~7日以上かけて徐々に増加させることが推奨されている。しかし、実際の症例で測定すると500kcal/日を超えており、少量のエネルギー投与を継続することによる低栄養障害増悪の可能性があった。このように症例毎にREEを測定することは栄養管理方針を決めるために有用であった。本発表では、一般病棟の慢性期の症例から救命領域の重症症例まで多種多様な栄養アセスメントについて報告する。

※本研究会は医学系研究科 単位認定セミナーです。
※本研究会はどなたでもご参加いただけます。

世話人:栄養管理室 長井 直子
E-mail:nagaink@hosp.med.osaka-u.ac.jp
次回、第414回CNCは、薬剤部 渡邉 梓 先生のお世話で令和6年8月19日(月)に開催予定です。