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第95回 未来医療セミナー

研究科主催セミナー

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第95回 未来医療セミナー
日時2016年7月28日(木)16:00~17:00
場所銀杏会館 阪急電鉄・三和銀行ホール
演題流産、早産、妊娠高血圧症候群という三大産科疾患の病態解明と治療への試み
演者富山大学大学院医学薬学研究部産科婦人科
教授 齋藤 滋
概要

私が産婦人科医になったのは昭和55年ですが、当時は、流産の原因は胎児異常であるため、治療法はないとされていました。また、早産がどうして生じるのかも謎でした。妊娠高血圧症候群は妊娠中毒症と呼ばれ、学説の疾患と呼ばれ、その病態は全くの謎でした。私の研究の中心は、どうして異物である胎児が拒絶されないのかというミステリーから始まりましたが、その中で、治療できる流産があることが判り、また、早産の原因が感染・炎症であることを見出し、妊娠高血圧症候群は一種の胎児拒絶反応に近い状態であることを発見しました。
今回の話は、最新のAIやWGSのような話ではなく、疫学的な事実や単に生物学的な事実から見えてくる病態につきお話ししたいと思います。このような古典的な方法でも、継続することで治療法の糸口が見えてくることがあります。