第415回 大阪大学臨床栄養研究会(CNC)
第415回 大阪大学臨床栄養研究会(CNC) | |
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日時 | 令和6年11月11日(月)18:00〜 |
開催方法 | 大阪大学医学部講義棟1階 A講堂(吹田市山田丘2-2) |
テーマ・講師 | 高度侵襲消化器外科手術前に「筋肉」と「腸」を鍛えることの重要性 |
概要 | 高度侵襲消化器外科手術では術後合併症が高率に発生します。中でも最も多いのが感染性合併症です。われわれは以前に、悪性腫瘍に対する高度侵襲消化器外科手術を受ける患者を対象に行った臨床研究で、術前に筋肉量が少なく、運動能力が低いと術後合併症がより高率に発生することを見出しました。また、術前運動療法および栄養療法(プレハビリテーション)の導入により、運動能力の向上(6分間歩行距離の増加)や体組成の改善が得られ、術後在院日数が短縮することも報告してきました。 さらに別の研究では、術前に腸内環境が不良であると術後感染性合併症がより高率に発生することを見出しました。また、術前の腸内環境はシンバイオティクス投与(プロバイオティクス+プレバイオティクス)により改善し、術後感染性合併症も低下することを報告してきました。 これらの結果をもとに現在名古屋大学では、高度侵襲消化器外科手術を受ける患者さんにプレハビリテーションによる「筋肉」を鍛えること、シンバイオティクス療法による「腸」を鍛えることを積極的に推奨し、少しでも術後合併症が減らせられるように努力をしていただいております。 本講演では、これまでわれわれが名古屋大学で取り組んできた外科周術期管理に関するいくつかの臨床研究の結果をご紹介したいと思います。 ※本研究会は医学系研究科 単位認定セミナーです。 |
世話人:消化器外科Ⅰ 教授 江口 英利
E-mail:heguchi@gesurg.med.osaka-u.ac.jp
次回、第416回CNCは、老年・高血圧内科 山本 浩一先生のお世話で令和7年2月に開催予定です。