第401回 大阪大学臨床栄養研究会(CNC) |
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日時 | 令和元年10月21日(月)18:00〜 |
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場所 | 大阪大学医学部講義棟2階B講堂(吹田市山田丘 2-2) |
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演題 | 発酵大豆テンペ(Tempe)の機能性 -排便状況改善効果について- |
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講師 | 畿央大学客員教授・関西医科大学医化学研究員 日本テンペ研究会会長 太田美穂先生 |
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概要 | テンペ(Tempe)は、数百年の歴史をもつインドネシアの伝統的な大豆発酵食品で、安価で良質なタンパク質源である。テンペ菌(Rhizopus 属)を用いて蒸煮大豆を無塩発酵した ものであるが、1950年代、FAOが世界のタンパク質源として注目したことがきっかけで世界中に知られるようになった。 日本では1960年代に栄養価、イソフラボンならびに抗酸化性に関する研究が進められ、1985年、筑波で開催された国際シンポジウム「アジア無塩発酵大豆食品会議」でテンペに関する多くの知見が紹介されている。その頃からテンペ製造が日本でも開始され、2000年以降「日本食品標準成分表」にその成分値が掲載されるようになった。大豆の栄養価に加えて、水溶性ビタミンや食物繊維含量が高まるのが特徴である。さらに加水分解酵素(Protease、lipase、β-glucosidase)活性が強く発酵中に遊離アミノ酸、遊離脂肪酸、アグリコン型イソフラボン比率が高まるので易消化吸収型の食品と位置づけられている。 今回、食物繊維含量が高い発酵食品であることに注目して行った「ヒトへの大豆テンペの経口摂取試験」で、排便状況(週当たりの排便回数や糞便量)や腸内細菌との関連を示す便色について統計的有意差が認められたので、その結果を中心にテンペの機能性を紹介する。 日本でのテンペの知名度はまだまだ低いので、当日、大豆テンペをご覧いただくと共に、その活用についても紹介したい。 |
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世話人:大阪大学大学院医学系研究科病院薬剤学講座 大石雅子(病院薬剤部)
E-mail:oishi@hp-drug.med.osaka-u.ac.jp
次回第402回CNCは老年・総合内科 杉本研先生のお世話で令和元年11月11日(月)に開催予定です