第418回 大阪大学臨床栄養研究会(CNC)
第418回 大阪大学臨床栄養研究会(CNC) | |
---|---|
日時 | 令和7年9月1日(月)18:00〜 |
開催方法 | 大阪大学医学部講義棟1階 A講堂(吹田市山田丘2-2) |
テーマ・講師 | 「最新の栄養疫学エビデンスとその臨床応用」 |
概要 | 肥満および糖尿病患者数の増加は深刻な社会課題であり、いまあらためて「食と健康」の重要性が注目されている。Nurses’ Health Studyをはじめとする大規模コホート研究により、食品の「質」に着目した健康的な食事様式が、2型糖尿病や心血管疾患、さらには全死亡リスクの低下と関連することが明らかとなっており、様々なガイドラインにおいてもその実践が推奨されている。 Teaching Kitchenは、これらのエビデンスに基づく知識の提供と、健康的な食事を作るための実践的な調理技術の習得を組み合わせ、無理なく健康的な食生活への行動変容を促す生活習慣改善プログラムである。私達は、日本食の健康効果を活かした「日本版Teaching Kitchen」を新たに開発し、肥満者および2型糖尿病患者を対象とした介入試験を実施している。 肥満者を対象とした試験では、4回のプログラム参加により、体重・血圧・体脂肪量の有意な改善とQOLの向上が確認され、その効果はプログラム終了後も持続していた。さらに現在は、糖尿病診療での活用をめざして、持続血糖モニタリング、食事写真、食行動、食嗜好などの多面的データに基づき、個人の生活スタイルや嗜好に合わせて個別アプローチを行うプログラムを開発し、2型糖尿病患者においてランダム化比較試験を実施中である。 本セミナーでは、これらの栄養疫学研究に基づく最新の知見と、その臨床応用としての日本版Teaching Kitchenの成果について紹介する。 ※本研究会は医学系研究科 単位認定セミナーです。 |
世話人:糖尿病・内分泌・代謝内科 教授 下村 伊一郎
E-mail:ichi@endmet.med.osaka-u.ac.jp
次回、第419回CNCは、キャンパスライフ健康支援・相談センター 山本 陵平先生のお世話で2025(令和7)年11月10日(月)に開催予定です。