教授リレーエッセイ

学生が被害を受けやすい事例の防止策について 保健学専攻 医療技術科学分野 医用物理工学講座(放射線生物学) 本行 忠志

保健学専攻
医療技術科学分野 医用物理工学講座(放射線生物学)
教授 本行 忠志

私は、安全衛生委員会や学生生活委員会のメンバーであり、それらの委員会で学生の事故連絡報告を聞くと、
毎年・毎回同じような事例が繰り返し出てきていることに気づきます。

飲酒による事件・事故、同じパターン(例えば食堂で席を確保するために財布やカバンを置いておく)による盗難被害、(歩行者・自転車・バイク・自動車すべてによる)ちょっとした不注意や危険運転による交通事故、深夜の一人歩きによる性被害、毎回繰り返される(鳥刺しによるカンピロバクター)食中毒等々エンドレステープのように繰り返し報告されています。また、入学直後の勧誘で知らぬ間にカルト集団に引き込まれ抜け出せないでいる事例が現在もあります。

怖いのは、場合によっては、学生の人生そのものが、取り返しのつかない事態に陥る可能性もあるということです。

以上のように一般には被害者の立場に立って考えてしまう訳ですが、加害者になり得ることにも注意喚起していく必要があります。例えば、一気飲みの勧めや、自転車の危険運転でも生命の危険を与える可能性もあるし、飲酒から性犯罪の加害者にもなり得ます。人生を棒に振ってしまう可能性もあることを周知徹底する必要があります。

これら(被害者や加害者になり得る事例)に対して、重要なことは、注意喚起を徹底し、学生の目や耳に少しでも入っていれば、発生頻度はかなり抑えられると考えられることです。

今までは入学時等に口頭で伝えるのみで、学生本人にはほとんど伝わっていなかった可能性があります。しかし、これでは全く不十分なため、保健学科では今後、学生生活支援委員会が中心となって、入学式や新入生合宿、研究発表時等ことある毎に具体的に各自に伝える予定にしています。

注意喚起は単調に長々と行うのではなく、ポイントを絞って簡潔に手短に行うことが肝腎と考えます。
ポスター形式や、標語・漫画形式等でインパクトを与える必要があると考えます。

最後に注意喚起事項をかるた形式で表現してみました。
(か)カルト:寂しさの隙間にスッと入ってくるやさしい言葉は暗黒への入り口!
(し)食中毒:カンピロバクター100%!鳥刺しは食中毒必発!
(こ)交通事故:自分だけの世界の移動の集まりはぶつかり合いの世界!
(い)飲酒:程よい気分の先はレッドゾーン!暗黒の世界が待っている。
(と)盗難:貴重品、自分から離れた瞬間他人の物!(と思う人もあり)
(ち)痴漢:深夜の一人歩きは恰好の的!(と狙われている)